ま、エビといっても2センチにも満たない小さなエビ。
足なんか、細ーい釣り糸みたいで、
捕食用の足は、ちゃんと先端が小さなハサミ状になっていて、
起用に餌をさぐり、忙しく口に運ぶ。

エビの脳は、バッタとかの脳に近いらしく、
梯子上の神経系を持ち、脳細胞の数は100万程度。
かたやヒトの脳細胞の数は、千数百億と言われている。
それに比べれば、非常に小さな脳だが、
それで実際、環境の変化に適応して、生命を維持し繁殖する。

この程度の小さな脳では、行動に関するルールを
そう繊細に細かく持ちようが無いように思えるので、
シンプルだが、最大限の多様性を発揮しうる
効率の良いルールを持っているのであろう。

よく引き合いに出すが、チェスはルール自体は極めて単純だが、
試合における駒の動き方には、無限に近いバリエーションが
発生する。どうもそんな事をエビを見ていて考えてしまう。

かたやヒトの世は、覚え切れないくらいの法律、ルール、
マニュアルが存在する。
法律が増えれば、それに抵触する事案も増え、
それを取り締まるために、また法律が作られる。
こうして、決まり事が増え、この増え方は、
指数関数的になるはずである。
増えれば増えるほどさらに加速度的に増える。である。

ま、個人的には、この事によって、
世間も加速度的にどんどん息苦しいものになって来たような気がする。
仕事上のマニュアルが多い事は、良い事のようだが、
長い目で見ると、個々の創造性を枯渇させる。
問題は無いが、面白くもない。生きている感じがしない。
仕事で言えば、現場のモチベーションが崩壊していく。
そういう弊害は、ボチボチ現れて来ているのではなかろうか。

ま、実際世の中は奇々怪々で複雑だが、
複雑さに複雑さで対抗するというのは、
実のところ、非常に効率が悪いのではないか?
実際、疲れるし、イライラする。

エビを見て、「こいつら簡単で良いなあ。」
と、思う次第である。

どうも最近、そういう事をよく考える。
もちろん、古くなって時代に付いていけなくなった
中年のグチである。