シェルターと言っても下北沢のライブハウスの事ではない。

 

元の意味は「避難所」で、「核シェルター」という風にも使われる。

アウトドア関係では、一時的に風雨、雪をしのげる場所である。

木の枝と枯葉などを組み合わせて屋根を作る場合もあるし、

非常用に持ち歩く、市販品もある。

 

ま、いくつか市販品もお財布の許す範囲で試してみた。

最初に買ったのは、アライのシングルツェルトという物。

 

寝てみたぞん。ある山中。しかも2月。

なんか良さげでしょ。とっても。

なのだが、これ高さがいかんせん低く、中で座る事も出来ず、

よって、雨に降られても、中で道具をパッキングする事も出来ない。

実際、この時もパッキングは出てからやった。

緊急避難用と言ってもなあ、、、。

 

発想がビビイサックに近いのだろうが、

雨が多い日本では、寝るだけの空間しかないビビイサックは

イマイチかなあ。

降られたら中で寝ているしかなく、中じゃ何も出来ない。

って、、、。

 

廃盤のもよう。

 

次に手に入れたのは、

山登りではポピュラーな、ツェルトと呼ばれる簡易テント。

これもアライのライトツェルト。これは高さが90cmあり、中で座れる。


こゆやつ。

 

上は、トレッキングポールを使ってちゃんと張った場合だが、

緊急避難なので、

こゆ使い方や、

こゆ使い方もある。

 

ツェルトは、300gいかないくらいと軽量で、コンパクトで、

いかようにも使えて、非常に便利なのだが、防水という訳ではない。

防水透湿素材を使ったものもあるが、やや高価。

 

ウルトラライトトレッキングで使われるシェルターには、

こういうのもある。

レインポンチョを広げてペグダウンして

こういう風に木の枝やトレッキングポールで、屋根をこさえる。

これは、インテグラルデザインのシルポンチョ。

ナイロンにシリコーン樹脂の汁を沁みこませた素材で出来ており、

非常に軽くコンパクトで、これは防水。

 

寝てみたぞん。

ある年の12月、ある山の麓。

 

構造上、地面と屋根の間に隙間が出来、

そこから吹き込む風が、非常に寒い。

そこさえ何とかなれば、簡単で好きな屋根なんですけどね。

 

レインポンチョとしても当然使えるし、一石二鳥。

だが、これをシェルターとして張ってしまい、

雨が降ってきたとして、外にオシッコしに行く時は、何を着るのだ?

という間抜けな問題が発生する。

 

「あ。」みたいな。

 

ま、ツェルトもレインポンチョも持って行って、

ポンチョをツェルトのフライシートとして使い、

ツェルトの防水の弱さを補う。という手も悪くない。

ま、これもオシッコ問題は発生するか、、、。

それに、張り綱が複雑になり、

「ほな、テント持って行けや。」という事になってしまう。

緊急時なら、なおさらである。

 

言明しておくが、私はメンドクサイ事は大嫌いで、

出来ればペグダウンさえしたくないし、張り綱も張りたくない。

上のシングルツェルトと小ぶりなタープを併用する。

という手も、よって却下。

 

なんだかなあ、人生上手く行かんなあ。

と、嘆きつつネットサーフィンをしていると、

近年、面白いものが検索に引っかかるようになった。

 

それが、「ブーシーバッグ(BOTHY BAG)」というもので、

こゆやつ。

 

これは、イギリスのライフシステムズという会社の、

「サバイバルシェルター2」。

ベンチレーターと、反対側に透明プラスチックの窓も付いている。

 

も、ほんとに被るだけ。

柱に相当する物は、自分の頭と向かいに置いたザック。

写真でも左側に、「缶ジュース買ってやる。」と騙されて公園に連れてこられた知人

(人目に付く公園で、こんなの被るの恥ずかしいもんねえ)

が入っており、反対側はザック。

 

写真ではザックはデイパック程度のものなので、ペシャンとなっているが、

昨今の山用のザックは、ヒップベルトが充実していて自立する。

その場合、頭とザックの間に足を伸ばしてくつろぐ程度の空間が、出来る。

 

他のメーカーのものも見たが、基本的に防水のようである。

い、、、良いじゃないか、、、。

今年は寒いが、これ被ってみると、風が遮られて実に暖かい。

裾の隙間風問題では、この製品は裾が紐で絞れるようになっており、

リッジレストなどを入れて裾をたくし込んでしまえば防げる。

 

ペグダウン無し、張り綱ナシ!

 

国産で、JUZAというメーカーの「Em-Shelter」というのもあって、

評判も良いようだ。迷ったのだが、僕の用途にはやや小さいかな?

サバイバルシェルターの場合、足をちょっと曲げれば眠れなくもないのでね。

やや重くてかさばるんだけどね。

雨が降らない前提なら、ツェルトを同様に使っても良い。

その方が軽くて、コンパクトではあるので。

ま、使い分けようかな。

 

欧米ではブーシーバッグは、雪山登山や、

バックカントリースキーの休憩時等での使用が

ポピュラーになりつつあるようなのだが、

日本ではまだ山道具屋さんでも見かけない。

んでまあ、ポチるしかなかった。

もっと普及して来ると、思うんですけどね。

 

ま、近年も毎年のように山の疲労凍死の記事は見かけますけどね。

疲労の極にあってもかぶるだけなんで、

こういう簡単に使えるシェルターは良いと思いますよ。ホント。

上記の「Em-shelter」なんて、ホントに軽くてコンパクトですしね。