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 大村亘 ドラマー/作曲家 


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AIR Splash魚津2019を終えて

毎年行われているピアニスト中村真さん主催の魚津ミュージックキャンプ。

今年は新たにAIR(Artist In Residence)と名前を変え9泊10日に亘るミュージシャン、ダンサーそして演劇分野の方々が自主的に創作活動を行いながら共同生活をするというイベントにゲストアーティストとして参加させて頂きました。
恒例では講師として招聘されるのですが、今年度からはゲストアーティストという呼称に変わり、それもこのAIRが生み出したい価値観に基づいているのかと思います。
何かを教える事は個人のフィルターを通じた絶対的な知識を提示するのではなく、対等な立場で知識を共有する事。教える側こそ学びの初心を忘れず取り組み、学ぼうとする側は受け取る知識から想像力を膨らませ、クリエイティブな疑問を投げ返す事が健全な学びの場と信じています。

それも踏まえて自分個人が取り組んでいる専門分野から新たに開拓しようとしている分野、左脳比重の強い題材から右脳寄りのものから満遍なく議題を変えてあらゆるセッションを展開させて頂きました。

自分はリズムの探求を続けているので、その素材となる音符の世界を顕微鏡にかけ、3連符、5連符、7連符、またはそれらを割り切れない数で分割(例えば5連符を3つで割ったり4つで割ったり)する事によってどの様なリズムの模様が生まれてくるのか、を主に題材にしました。リズムは周期であり、身の回りに無数に存在しています。地球の回転周期からカレンダー、時計の針、デジタル時計の数字から砂時計、腹時計。ありとあらゆる輪廻の中で人は何かを想い、感じ、行動しては眠り、生きては死んでいく。森羅万象すべてのものが様々な周期で廻っていると考えても良いかと思う中で、極めてミクロな拍をどの様に割って装飾したら何になるか。どんな感情を刺激するのか。思考を疲れさすのか、目覚めさせるのか。と言うところを考えてこの分野の僕なりの視点からのセッションをしました。これらの感覚を少し広げる意味でもインドのリズムサイクルについても触れされて頂きました。北インド古典の16拍、10拍、7拍サイクルのデザインを感じる事で事の周期性を考えるきっかけになれればとの意図でした。

上記を左脳的な作業と考えると、それにカウンターバランスさせる為に右脳的な部位を刺激する瞑想セッションも行いました。ロジカルな分析からの明確な説明のない意識の世界のマッサージとでも言えば良いでしょうか。
結果左脳的なトレーニング取り組むための一種の思考の浄化作業でもあるので左右のバランス取りに良いかなと思い取り入れました。不思議なもので参加者の方々はこのセッションが終わってやたらすっきりしていたり、脱力しきって起き上がらなかったり、そのまま眠ってしまったりなど、それぞれユニークな出口が待っていました。

他には、自分1人の主観をずっと垂れ流すのもアンバランスかと思い、近年僕が渡印中何度かインドを訪れてくれているギタリストの生島くんと対談形式を取る事により、インドならでは感じ取れる体験談を通じた意識の変容、気付き、己の中での何かしらの悟りを彼のフィルターを通して皆さんと共有してみる機会も設けました。

ゲストアーティスト枠のワークショップでは『時間』感覚について主観と客観の並列や、「時」そのものを取り巻く数字の法則について、そしてそれぞれが感じる「時」の中で何に焦点を当てて調和的なものを創れるかなど参加者に実験参加して頂いたり、音楽を聴く時間の中で感じ取る時の流れの印象の違いなどを味わって頂きました。

これでもかなり要約した方なのですが、振り返れば色んなアウトプットとインプットのソケット作りのきっかけを提供したいという気持ちでワークショップやセッションをデザインしていたら、この様に至ったまでです。

自主性を重んじるのがこのAIRの価値。
情報過多な現代社会。リアリティーのある経験やコミュニケーションが希薄になりつつある中で表現をする事から周りの人達とどう関わり調和できるのか。もしくわ、不調和が生まれてもそこから何を考え立体的な視点に昇華していくのか。

それらを信じこの様な場所を提供してくださった中村真さんはじめスタッフの皆様に心より御礼を申し上げます。

ありがとうございました。

by koomuraa | 2019-09-21 16:22