「そして、大事にしたいこと」
鼓童在籍時の1991年、私は西アフリカツアーを企画しました。
ガーナの森で月明りの下、太鼓のリズムとダンサーがひとつになった祭り(儀式)を体験したことが、私とダンスの創作の根幹となっています。そして、その儀式で叩かれていたリズムが「パンコメレン劇場」の基本ビートになっています。
その西アフリカツアーのメンバーは三人編成で鼓童三人狂(さんにんぐるい)と名付けました。Dynamism 2022の3日目に出演する金子竜太郎さん。私が初めて「音を付けたい!」と思わせてくれた素晴らしい踊り手の栗田完さん。
今回、竜太郎さんとは30年振りの共演となるのですが、それを結び付けたのは完さんでした。と言うのも、昨年夏に踊り手の完さんが亡くなられたのです。
Photo: Masayuki Sakamoto(左が金子竜太郎さん)
今回のライブでは、日本でもアフリカでもない森の情景とダイナミズムを描きたいと思っていますが、踊りの魅力を教えてくれた完さんへの感謝の気持ちがあります。
そもそも太鼓は魂を迎え、送る役割を持っていました。祭りや伝統券\だけでなく、私たちの日常にその心をもって叩いても良いのではないかと、この2年のこともあり深く感じています。
2013年から1年間、文化庁文化交流使としてヨーロッパを中心に活動していた時、実に多様な民族と多様な創作をさせてもらいましたが、公演の頭はほぼ大太鼓の奉納演奏でした。
私の1年の活動の無事と3.11の影響がまだ生々しかった日本のことを思ってお祈りしてから叩いていました。それがとてもとても自然だったのです。
もちろん、本公演も重苦しいパフォーマンスにするつもりはありませんし、逆に前向きに頑張ってるだけで私が満足するはずもありません。
間違いないことは音も肉体もイキイキしています。音の波動をダイレクトに感じていただけるライブこそ私が歩むべき道だと思います。
Photo: Masayuki Sakamoto(2組のリハを終えた時はさすがにヘロッヘロ)
リハーサルを重ねるごとに感じる目の前で起きていること。Dynamismの3日間にピークを持って行けるように日々過ごしていきたいと思います。
あと1週間!!!
https://leoeto.com/dynamism2022/
動画より左から:田所いおり、泉有香、水谷彩乃
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