真珠腫性中耳炎 前編(※もう大丈夫なうです) | 宮城県産ドラマー、石川洋のブログ。

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宮城出身、都内中心、全国で活動中のドラマー、石川洋のブログです。ライブサポート、レコーディング、ドラムレッスン等行っています。

またすっかりご無沙汰です。

 

昨日から今日にかけて凄い台風でしたね。

 

被災された方々が少しでも早く日常を取り戻せるように祈ります。

 

 

 

さて、不要な心配をされないように結論から書きますが、真珠腫性中耳炎という病気にかかり、5月に手術をしました。

 

今は全然大丈夫です。

 

途中で書こうかなーと思ったのですが、ひとまずひと段落してからの方が皆様にご心配をおかけしないかなーと思いまして今になりました。

 

 

 

みなさん、そんな中耳炎を聞いたことあるでしょうか?

 

自分はありませんでした。

 

普段聞かないということは、中々マイナーな病気なのではと思います。

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真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん, cholesteatoma)は、中耳炎を繰り返すうちに一部の上皮組織が球状に増殖して耳の周りの骨を破壊する病気のこと。

球状に増殖した上皮組織は真珠のように見える事から真珠腫と言う。腫瘍ではない。真珠腫は上皮が存在しないはずの鼓室内に、何らかの原因で上皮細胞が侵入して増殖したもの。先天性の真珠腫は、表皮芽が鼓室内に入り込んで増殖したもので、鼓膜とは直接の関係がない。後天性の真珠腫は、鼓膜の上皮が鼓室内に侵入したもので、鼓室内の減圧状態が続いたことが原因となるケースと、鼓膜に開いた穴が原因となるケースがあって、いずれも鼓膜と真珠腫がくっついている。

 

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wikipediaより

 

 

簡単に言うと、一度真珠腫というのが出来るとその近辺の骨を破壊したり神経にダメージを与えたりしながら進行していき、ずっと放置するといずれ脳まで進んで、最悪の場合死ぬというケースもあるという病気です。

 

この度自分がその病気に罹って手術をしたわけですが、これは意外とみなさん知っておいて損はしないんじゃね?と思ったので、情報共有及び自分の備忘録としてブログに書いておこうと思いましたので、書きます。

 

 

まず異変に気づいたのは去年の今頃だったと思います。

 

これも良くなかったのだと思いますが、自分は眠りが浅くちょっとした音でも起きてしまうので、寝る時には耳栓が必須でした。

 

ある朝起きて耳栓を外すと、右耳からツーッと透明に近い液体が垂れてきました。

 

「ん?」

 

と思いましたが、きっと耳かきか何かで中に傷がついて出てきたのかなと思い、耳栓を新品にしたりしてなるべく清潔にしつつ様子を見ていました。

 

これもまた良くない習慣だったのですが、ミュージシャンという職業もあり、耳は限りなくキレイにしておきたい→毎日耳掃除をするという習慣がありました。

 

これは耳にとって良くないので、毎日やっている方は我慢しましょう(笑)

 

 

それでしばらく様子を見ていたのですが、だんだんその液体が黄色くなってきまして、膿っぽい色になってきました。

 

これはちょっとよろしくないなと思い近所の耳鼻科に行くと、

 

「外耳道に傷があり、そこが腫れて出血しているので、まずは抗菌の点耳薬をしばらくさして様子を見ましょう。」

 

とのこと。

 

それと「理由は分かりませんが骨に穴があるのと、鼓膜が両方とも内側に凹んでいます。中耳炎だからかもしれませんが、なるべく鼻をかんだり通気ができるように気をつけてください。」と言われました。

 

 

それで2週間くらい様子を見て、再度診察へ。

 

そこで、

 

「腫れていた部分が引いて分かりましたが、外耳道の奥に空洞があります。恐らく真珠腫かと思いますが、新しいものかどうかは分からないので今すぐ何かをする必要はないので、様子見で良いと思います。」

 

と言われました。

 

 

一旦耳だれ(耳からの液体)が止まったのでそのまま2ヶ月くらい過ごしていると、また年末から今年の年明けくらいに耳だれが。

 

再度耳鼻科へ行くと

 

「治りきっていなかったのかもしれないので、また違う点耳薬で様子を見ましょう。」

 

と。

 

 

この辺りから少し心配になり、真珠腫というものについて調べたりし始めました。

 

まず気づく症状として多いのは、耳だれと難聴らしいということ。

 

難聴?と思い考えると、確かに左右の聞こえの差は前から少しだけ気になっていて、でもそれは聞こえる音量が違うというよりは左と比べて聞こえる周波数帯が少し違うという印象だったし、イヤホンのはまり具合や、耳の中の形の違いで響きが違うのかなぁ?と思う程度で、仕事にも差し支えないレベルだったのであまり気にはしていませんでした。

 

 

新しい点耳薬が効いたのか耳垂れが止まり、再度耳の中を診てもらうと、明らかに以前見せてもらった時よりも穴が広がっていました。

 

それを指摘すると、「確かに大きくなっているので、念のためCTでどこまで穴が進んでいるか見て、今後の方針を決めていきましょう。」と。

 

 

この時点で個人的には「?」と思うポイントが結構増えてきており、お医者さんからしたらめんどくさい患者なんだろうなーと思いつつも、耳は仕事に直結するとても大事な部分なので自分なりに色々調べたりして質問を結構しました。

 

例を1つ挙げると、鼻をすする癖についてです。

 

真珠腫について調べていると、日常的に鼻をすする癖がある人はそれが原因の場合が多いというのが定説のようで、それに関してはかなり断定的に書いてある記事も多かったのです。

 

自分は小さい頃から周囲の全ての音や自分の声がうるさいと感じることが多く(恐らく耳管開放症or狭窄症)、その聞こえを鼻をすすったりすることでずっと調整していました。

 

あくびをして聞こえがボワーンとしたり、自分の声が大きく聞こえたりする状態がずっと続いているような感じと言えば伝わるでしょうか。

 

普通はそこで唾を飲んだりすれば聞こえが戻るらしいのですが、自分は戻らなかったので鼻をすすって調整していたというわけです。

 

記憶に無いくらい昔からのことなので、それが当然だと思っていたし、みんなそんなもんなんだろうと思っていました。

 

鼻をすするということは鼓膜が内側に引っ張られるということです。

 

逆に鼓膜を外側に押し出すのが耳抜きです。

 

鼻すすりが原因で鼓膜が常に内側に引っ張られると、中耳炎にもなりやすく、真珠腫を作る原因にもなるということです。

 

この説を沢山見てから、自分の中では凄く一本筋が通った感覚がありました。

 

昔から鼻はすするし、中耳炎は多かったし、これに間違いないだろうと。

 

 

 

なので先生に「鼻すすりが原因という記事を結構見まして、自分もその癖があるのですが関係ありますかね?」と聞いてみると「いや、全然関係ないと思います。」と。

 

 

そのようにいまいち釈然としない部分があったり、様子見で大丈夫でしょうということだったのに2ヶ月で穴が結構大きくなったこともあり、CTの判断がどちらに転んでもセカンドオピニオンを聞きに別の病院には行こうと思っていました。

 

 

CTの結果としては

 

「現状すぐ手術が必要ではないと思うので、数ヶ月に一度定期的に診察をしていけば大丈夫かと思います」

 

との結論でした。

 

 

 

しかし、

 

1. 2ヶ月で進行して穴が大きくなったのに数ヶ月に一度の診察でよいのか。

 

2. 普通の傷と違い、破壊が進んだ骨は戻らないので、今後どんどん穴は広がる一方。

 

3. 釈然としない部分がいくつかある。

 

ということで、紹介状を書いてもらい他の病院でセカンドオピニオンを聞かせてもらうことに決めました。

 

 

個人的な知人の先生何人かに相談したりしてお勧めの先生を伺ったりしたのですが、距離的に通院が厳しかったり、耳鼻科も専門が結構細かく分かれているとのことで、都合が合わず。

 

どうしようかなーと自分でインターネットで色々と調べていた際に、真珠腫に関してのスペシャリストの先生を発見。

 

評判もとても良く、手術数も日本トップクラスの某大学病院で診察を受けることにしました。

 

割と慎重に先生を決めたのですが、理由として、手術になった場合の成功率、改善率があります。

 

進行具合にもよりますが、手術になると耳の中をいじる手術が必要でして、かなり繊細だそうで。

 

一説によると30年位前だと真珠腫の手術をして日常レベルまで聴力が回復することはレアで(第一目的が真珠腫を完全に取り除くことで聴力改善はその次という位置付けの為)、ここ30年くらいで聴力改善に関しては技術が上がってきていると。

 

その時の聴力検査では右耳が軽度難聴になるかならないかのラインだったのですが、色んな方の手術体験記を読んだりすると、手術後にさほど改善しなかったり、悪化したりというパターンも結構見受けられたので、手術の経験が豊富であるに越したことはないだろうなと判断したのです。

 

 

 

これが4/3で、「大学病院なんて行った事ないけど、診察は数ヶ月先とかになるんでしょー、しかも人気の先生とかだったらもっと先なのかなー」と思いつつ電話をすると、なんと4/22に診察可能だと。

 

はやっ!と感激し、予約。

 

 

そして22日の診察の日を迎えました。

 

 

聴力検査、味覚検査(神経の破壊が進んでると味覚が狂うらしい)等を終えて、いざ診察室へ。

 

 

CTを見たり、検査結果を見るなり先生は、

 

「これは即手術した方がいいですね!」

 

と(笑)

 

 

理由としては、穴の進みが気になるのと、放置しても改善しないということ。

 

凹んだ鼓膜が袋状に内側に入っており、そこは掃除ができないので、いつ再発するかも分からないということ。

 

これ以上進むと、味覚障害、顔面麻痺、最悪死ぬ可能性があるということでした。

 

 

音楽を仕事にしているということもあり、これ以上破壊が進む前に今のうちに手術をした方が良いでしょうと。

 

 

例の鼻すすりの件を話してみると、「それが原因で間違いないですね。もう絶対しないでくださいね。」と。

 

なんかバイブスというのでしょうか(笑)、直感的に「この先生なら信頼できるな」という感じがしたので、その場で手術することに決めました。

 

この段階で8月に父親になるであろうことは分かっていたので、その前にやっておきたいなというのもあったので。

 

 

で、「5月は予定どうですか?」と聞かれ、心の中で「展開早過ぎじゃね?(笑)」と思いつつ予定を見ると、ライブの予定的に6月の方が良さげだったので、「6月じゃまずいすかね?」と聞くと、「その一ヶ月は大きいと思うよ」と言われたので、5月でうまく予定を調整する方向に(笑)

 

ここを選んだもう一つの理由なのですが、病院によってこの手術は全身麻酔で1週間くらい入院するパターンと、局所麻酔で1泊2日のパターンが多く、ここは1泊2日だったのです。

 

局所麻酔で頭蓋骨に穴を開けるなんてちょっと想像するとアレでしたが(笑)、聞こえの調整をしながら手術できるというメリットがあるので、それもポイントでした。

 

ちょうどうまい具合に1泊2日予定はまりそうだったので、5月15日に手術をすることで決定しました。

 

その後、入院用の血液検査やら何やらを終えてその日は帰宅。

 

話が進展して少し一安心したのと、「あー、頭に穴あけんの痛そうだなー」というのとで複雑でした(笑)

 

 

長くなったので、ひとまず前半はここまででm(__)m