多分あなたにも当てはまる『グルーブ難民の誕生秘話』

 
この記事はオンラインサロン『リズム・ダ・モンデ』で2023/02/20に投稿された物です。
 
●週刊だもんで●
 
うい桐沢です。
 
先日の久々の生配信、大変盛り上がりました。新しい人も含め48人もの参加者、アザーす。
 
お初のレコーディングエンジニアの方に『リズムは振動』との話を伝えたら目片鱗だとの返答。嬉しいね。
 

ここから数字以外でリズムに切り込めるきっかけになってほしい。

 
そのレコーディングエンジニアの方に『リズムはどのように調整するか?』と質問した所『『数値を調整する』との回答。
 
数字でリズムを調整する
 
ダモンデ的には不安な空気しかないのですが、みなさんもご存知の通りこれが今の日本のレコーディング業界では当たり前です。
 

僕も昔日本のスタジオでスネアのバックビートの位置をProToolsの上で機械的に移動しているのを目の前で見たこともあります。

この話と前に話したある有名アーチストのヒット曲が振動ぐちゃぐちゃな話につながるね。
 
ここにちょっと切り込んでみよう。
 
 
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最近、東洋の考えに魅了され様々なアジア分野に手を出しているのですが、久々に『そうそうこれよ!』的な本に出会いました。
 
多分ダモンデ民ならみたこともあると思う。
 
上達論
この本からいくつか引用させてもらいます。
 

「デジタル」は、分かりやすく、 伝えやすい。  しかし、 この世 の 事象 は 全て「アナログ」であり、「 端数」なのです。  にもかかわらず 世界 を「 数値 化 されたもの」「 言語 化 されたもの」ばかりで 捉えていると、 膨大 な 情報 を 見失う 事 になります。  その 損失 量 は、「 認識 範囲」を 遥かに 超えています。   本質的 に「アナログ」な 世界 を、「 数値」や「 言語」という、いわば「 噓」で 眺めているからです。

キリサーの昔からの持論 
リズムは数字じゃ無い
 
リズムという事象を分かりやすく、伝えやすくしたものが僕らが普段目にしているリズムの譜面です。それには全て数字がついています。
 
8分音符、3連符、4拍子、テンポ120や8小節など、全て数値化されています。メトロノームも事象を数値化したもの。
 
先程の引用の真ん中から後半
 

世界を(リズムを) 数値 化 されたもの」「 言語 化 されたもの」ばかりで 捉えていると、 膨大 な 情報 を 見失う 事 になります。  その 損失 量 は、「 認識 範囲」を 遥かに 超えています。   本質的 に「アナログ」な 世界 を、「 数値」や「 言語」という、いわば「 噓」で 眺めているからです。

 
リズムという事象が誕生したのは数字という概念が生まれるずっと前。だとしたらリズムには数字になる前の姿があり、数字リズムは本質的な物ではない。
 

でも数字リズムは分かりやすく伝えやすい物

 
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僕のYoutubeでの初期の発信を支えたハル・ギャルパーの言葉
 

『アメリカの音楽教育には重大な問題がある。それはリズムを紙(記号化されたリズム譜面)で教えてしまった所だ』

 
ちなみに僕がこの言葉に出会った時は彼の言うアメリカの音楽教育をとっくに受け終わった後。リズム暗黒時代を彷徨うグルーヴ難民だった頃。
 
さらに『上達論』から引用します。
 

記号 化 した 時点 で「 明確 化」と 引き換えに 削られる 要素 があり、 事象 の「 本質」から 劣化 した分、どこかに「 噓」が 入り込みます。  つまり、 数字・言葉・既存 の 概念 などはこの世 を 明確 にしてくれると 同時に、「 噓」でもある 事 を 忘れた時、 大切 な物を 永遠 に 失う

 
僕らが習ってきたリズム、音楽を構築し楽器を通して表現するための足下にあるべきリズムは『嘘』であった可能性があるという事。
 
グルーヴ難民の誕生はここに起源を辿れそう。
 
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『メトロノームやクリックにピタリと合う事がリズム感の良い定義』

 
これを最終ゴールにするのは今の商業音楽のミュージシャンとしての仕事の中で求められているスキルであることは間違いありません。
 
しかしそれだけがリズム感の良い定義ではないと、大きな目線を持つことができればグルーヴ難民を脱出する可能性が出てきます。
 
メトロノームにピタリと合うことはリズム感の使い道の一つであることは間違い無いと思います。
 

しかしメトロノームにピタリと会うだけがリズム感の良い定義ではない。

 
簡単にこれは説明できます。
 
例えばアフリカのダンス。
 

メトロノーム通りに進んでいませんが、僕らは

『メトロノームに合っていないからアフリカ人リズム感悪くね?』

なんて判断はしません。
 
メトロノームに合うだけがリズム感の良い定義となったのは、今の日本の音楽をやるということがあまりにも商業の道に添いすぎているからかもしれません。
 
15秒のテレビCMに当てはめるため、一枚のCDに納めるため、レコーディングした後の編集作業のためなど様々な理由で数字を使うことが求まられます。
 
しかし本当の人間が持っているリズム感は

「アナログ」であり「 端数」なのです。

 
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子供の頃に遊んだリズム遊び

オチャラカホイ、あんたがたどこさ、ズイズイずっころばし、などをしている時
 
『そこの手拍子をわざと後ろにしたら東京人ぽくてカッコいいぜ〜』
 
なんて言ってくる小学生はおらず
 

僕らは音程やテンポが遅くなる早くなるに怯えることなく夢中になりリズムの中で遊んでいた。

 
そこから西洋式の音楽教育でリズムは

『早くなることも遅くなることも許されない数字』

に代わり、もともと子供の頃に持っていたアナログ感は捨てられた。
 
民族文化人類学者、小泉文夫さんの言葉
 

『西洋式の音楽教育が行き届いていない民族では、全員がダンサー、ミュージシャンや芸術家となる』

 
もともと日本人である我々の子供時代は『西洋式の音楽教育が行き届いていない民族』この世界観の中にいました。
 
それが西洋の教育の中で事象を数値化することを最適解とし、そこからしかリズムを判断できない。
 
本来は自然の現象であったアナログのリズム。 先程の引用をもう一回見てみましょう。
 

記号 化 した 時点 で「 明確 化」と 引き換えに 削られる 要素 があり、 事象 の「 本質」から 劣化 した分、どこかに「 噓」が 入り込みます。  つまり、 数字・言葉・既存 の 概念 などはこの世 を 明確 にしてくれると 同時に、「 噓」でもある 事 を 忘れた時、 大切 な物を 永遠 に 失う

僕らがリズム暗黒時代を彷徨うグルーヴ難民になった原因はここにありそう。
 
ここから脱出するのは、数字で作られたメトロノームなどを使ったリズム裏ワザ系なのでしょうか?
 
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ここまで読んでいただければ、僕らのリズムへの向き合い方に何か問題点がありそうという事はなんとなく分かってもらえたと思います。
 
これは僕の最近の演奏なのですが、グルーヴしているかどうかは別にしておいて、演奏は迷ってはいません。よって『難民』は脱出したといえます。
 

 
自分でも納得できる説得力のある8ビートを叩いています。まあ8ビートていうかリズムの力強さかな。
 

ちなみにこれ全員がほぼ初見ね。 ベースが結構間違えてるw

これを落とした後に後追いで『メトロノームを8年ほど使ってません』的なツイートをしました。
 
語弊があってはいけないのですが、けしてメトロノームがダメと言っているわけではなく、
 

メトロノーム以外にたくさんのリズムに向き合う物を持っていて、それを全てテーブルの上に並べた上でメトロノーム以外の選択肢の方が面白く『リズムにハマっている』という実感があるからメトロノームを選ぶことがない。

もちろん仕事ではメトロノーム(クリック)を使用していますが、自分のコントロールが効くプライベートな時間や練習では使っていません。
 

iPhoneのメトロノームアプリもしばらく入れてなかった。最近は仕事の道具として仕方なく入れていますが、、。練習の相棒ではない。

理由は人間の自然なリズムと常に向き合いたいから。
この自然なリズム、アナログ感こそ
 

この世 の 事象 は 全て「アナログ」であり、「 端数」なのです。  にもかかわらず 世界 を「 数値 化 されたもの」「 言語 化 されたもの」ばかりで 捉えていると、 膨大 な 情報 を 見失う 事 になります。  その 損失 量 は、「 認識 範囲」を 遥かに 超えています。   本質的 に「アナログ」な 世界 を、「 数値」や「 言語」という、いわば「 噓」で 眺めているからです

 
この引用にある通り失った物だと思います。
 
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僕らが西洋式の記号化された数字リズムを本当のリズムだと思いこまされ、失った莫大な情報に向き合うことなく『数字や数値』を基準に
 
  • 『黒人のリズムはわざと後ろにずらす』
  • 『ラテンのリズムは訛っている』
など分析しています。
 
もともと

この世 の 事象 は 全て「アナログ」であり、「 端数」なのです。

 
このアナログ感を記号化された縦線からみているからこそ、わざと後ろにずらす、訛っているなどという解釈が生まれる。
 
また引用します。
 

東洋医学 を一から 学ぼうという人が、 西洋 医学 の 知識 で 全てを 解釈 しようとしたら、 当然 習得 は 遅れるでしょう。   西洋 医学 の 知識 は、むしろ「 邪魔」にすらなるはずです。  この 構造 は、 様々 な「 習得」においても 起こっています。

今の僕らはこの罠にハマっていないだろうか?  
 
もともと持っていた人間としてのアナログなリズム感をなかったものにし、記号化された数字リズムで組み上がった結果、
 
もともと持っていたアナログ感が見えなくなり、
わざと後ろにずらす、訛っている。
 
などの分析をする。
 
何か違和感がありませんか、デジタルからアナログを見る
 
本当は逆なんじゃないか?
 
もしかしたら『グルーヴ難民』誕生の秘話はここにあるのかもね。
 
これは日本が辿った歴史の中に原因はあります。
 
がこの話はまた今度にしましょう!
 
最後まで読んでくれてありがとう。
 
もし面白かったら拡散してくれると嬉しいわ
 
2023/02/20 ロサンゼルス

 

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