PLAYER

UP

【Report】40年の軌跡を振り返るトーク&圧巻のドラム・ソロでファンを魅了!! 長谷川浩二デビュー40周年記念イベントが開催!

  • Photo:Yukitaka Amemiya

1983年12月17日にTHE ALFEEのサポート・ドラマーとしてプロ・デビューを果たし、その後もさまざまなアーティストのサポートや自身のプロジェクトで活躍するなど、日本の音楽シーンを牽引してきたドラマー、長谷川浩二。

昨年デビュー40周年を迎えた彼を祝うスペシャル・イベントが、本誌主催の元、デビュー日の12月17日に御茶ノ水RITTOR BASEにて行われた。

当日は関係者やファンからお花が届き、イベント開始前からお祝いムードが漂う。そして、会場には長谷川のメイン機としてお馴染みである、マット・ブラック・フィニッシュのTAMA Starclassic Mapleのツーバス・セットが鎮座。

普段はホールやライヴ・ハウスなどのステージ上にセットされる巨大なツーバス・セットが、この日は至近距離(長谷川の提案で当日は観客に耳栓が配られるほど!)で見られるという滅多にない機会に、来場したファンは期待を膨らませながら開演までの時間を過ごしているようだった。

定刻にイベントが始まり、周年を祝う来場者の拍手の中、長谷川が登場。セットに座ると、まずは会場に訪れたファンに感謝を述べつつ、「40年は通過点に過ぎない」と語るが、来場者からの声援に和やかな表情を見せていたのも印象的であった。

トークを挟んで、オープニングを飾るパフォーマンスに選んだ曲は、Isao(g)、IKUO(b)とのトリオ=Cube-Rayの超絶曲「the Shadow of Eruption」。日本屈指のハード・ヒッターによるツーバスと高速フィルが炸裂し、26インチのバス・ドラムによる圧巻のサウンドが会場に響き渡る。フレーズを口ずさみながら叩くのもお馴染みで、激しい中にも歌心が感じられる。

オープニングではCube-Rayの「the Shadow of Eruption」を披露。
26インチのバス・ドラムによるツーバスが炸裂。至近距離ということもあって大迫力のサウンドが会場を包む。

演奏が終了すると、40周年を振り返るトーク・コーナーへ。THE ALFEEのオーディションを経て、デビューへと至るまでの話や、1983年12月17日当日の出来事(会場には専門学校の先生であった村上“ポンタ”秀一氏も来場していた!)など、多岐に渡るエピソードを展開。

続いてはドラム・マガジン主催のイベントということで、機材変遷の話へ。デビュー当時は、当然ながらエンドースはなく、TAMAのドラムを借りて臨んだという話や、スティーヴ・ガッドに憧れて手に入れたYamahaのYD-9000RD、そしてTAMAとのエンドースに至る経緯など、会場正面に設置されたスクリーンに懐かしい写真を投影しながら思い出を語っていく。パワフルなドラミングとは対照的な軽妙なトークで、会場は温かいムードに包まれていた。

激しいパフォーマンスから一転、トーク・コーナーは40周年を振り返る貴重なエピソードを中心に和やかなムードで進む。

トーク・テーマがレコーディングに移ると、初めて参加したTHE ALFEEの「鋼鉄の巨人」に関するエピソードへ。レコーディングは旧渋谷公会堂公演でデビューして間もないタイミングで行われたそうで、ドラムは当時流行していたSONORをレンタル。同じくレンタルしたシンバルが割れていて、ミュートしていないのに音が止まってしまったなど、今だから語れる逸話もたっぷり!

さらにトピックとして、長谷川が用意してくれたドラム・トラックだけのレコーディング音源も披露。筋肉少女帯の「大江戸鉄炮100人隊隠密戦記」、「楽しいことしかない」をピックアップし、音源版と聴き比べながら、レコーディングでのジャッジの仕方なども語ってくれた。ドラム・トラックだけの音源を聴く機会はほとんどないため、来場者にとっても新鮮だったことだろう。

縁のあるドラマーからお祝いのメッセージ動画も届いた。写真は山木秀夫氏からのコメントに耳を傾ける長谷川。

イベント後半には、青山英樹、石井悠也、叶 亜樹良、そうる透、山木秀夫という長谷川と縁のある5人のドラマーから届いたムービー・メッセージも放映。コメントごとに、それぞれのドラマーとのエピソードを語り、感謝の言葉を返していた。

40周年という時間を振り返るイベントは、あっという間に時間が流れ、締め括りとして、10分にも及ぶ圧巻のドラム・ソロを披露。キレのある8ビートから、高速フィル、ツーバス・プレイなど、ドラム・セット全体を縦横無尽に行き来するパフォーマンスで、この日のイベントはフィナーレを迎えた。

長谷川さん、あらためて40周年おめでとうございます!

イベントで使用した機材はコチラ!!

現在の長谷川のメイン機である、マット・ブラック・フィニッシュのTAMA Starclassic Maple。サイズ、26″×16″ BD(×2)、10″×8″/12″×8″TT、16″×16″/18″×16″FT。この日はバス・ドラムに筋肉少女帯のロゴ入りのフロント・ヘッドを装着。巨大な2バス・セットが圧倒的な存在感を放つ。スネア・ドラムは自身のシグネチャー・モデル=TAMA KH1465で、イベントではその音色にフォーカスしたショート・デモも披露。
シンバルはすべてジルジャンで、AカスタムやZカスタムを中心にセレクト。ハイハットは左手側に1組、右手側に2組と計3組。メインは左手側の15″ハイハットで、ロッドとクラッチはKitanoのチタン製。チャイナ・シンバルも3枚で、右手側に高くセットされた20″ FX Oriental China Trashは、14″ Trashformerを重ねている。ラック・システムを駆使して並べられたシンバル、低めに設定されたスローン、TAMAのエアーライド・スネア・マウンティング・システム(現在は生産終了)で奏者側へ角度をつけたスネア・ドラムなど、お馴染みのセッティングが使用された。

ドラマガ2023年10月号の連載「Studio Great」では
8ページに渡って長谷川浩二を大フィーチャー!

日本の音楽シーンを支えてきた凄腕ドラマーに焦点を当てて紹介するドラム・マガジンの人気連載=Studio Great。2023年10月号の同連載では長谷川をフィーチャーし、4時間に及ぶロング・インタビューを敢行。インベントでは触れられなかった幼少期やデビュー前のエピソード、多岐に渡るセッション・ワークを中心とした現在の活動まで、貴重な写真と共に全8ページで掲載。デビュー40周年の記念アイテムとしてもぜひ!