キューバに留学していた時の話。僕はChanguitoというラテンパーカッショニストなら誰でも知っている偉大な人にレッスンを受けていた。
留学中僕は毎晩のようにどこかのライブを見に行って遊び倒した。その日もいつものようにライブへ出かけてモヒートを飲んでいるとChanguitoの顔をした大きな女性に出会った。一緒にいたミュージシャン友達が”あれChanguitoのムスメだぜ!”というので友達に頼んで紹介してもらった。そして”Changuito紹介してください。”といってとりあえずレッスンを受けてみる事になった。

Changuitoはバイーアというハバナ市街から湾を越えた所に住んでいた。少し遠いんだけどレッスンにいく道のりも僕は大好きだった。バスでトンネルを抜ける近道もあるんだけど、僕は友人にかりていたバイクで湾を迂回していくのが好きだった。途中の踏切でヒッチハイクのキューバ美女を後ろに乗せてカリブの日差しの中をひたすらまっすぐな道を走る。街についたら美女を降ろして(そこはクールにね!)家に着いたら”Changuito!!"って叫ぶ。レッスンの後には隣のカフェで量だけはやたら多いのびきったスパゲティを食べてレッスンの録音を聞きながらハバナに戻りチャイナタウンのTresChinitosでフローズンリモナーダフラペチーノを飲むのが僕の日課だった。

もともとドラマーでラテンパーカッションは知らなかったので最初はドラムのレッスンを受けていた。でもだんだんドラムセットをセッティングするのが面倒くさくなってきたらしくティンバレスのレッスンが増えていった。ラテンのリズムを習得するためにはティンバレスやコンガやボンゴ、キューバだとバタとかも理解するのが避けては通れないので今はよかったと思う。ティンバレスプレーヤーIsseiの誕生の時である。最初はティンバレスだけだったがそのうちキックをプラスしたりフロアータムをプラスしてChanguitoスタイルを叩きこまれた。

最初は数多くのレッスンにくる外人の一人だった僕も足繁くレッスンに通っているうちに一目置かれるようになり、いろいろな事を教えてくれるようになった。Changitoの代名詞の一つでもあるインディペンデンシアと呼ばれる右手でクラーベやカスカラのリズムをキープして左手でインプロビゼーションする技術は徹底して叩き込まれた。

Changuitoのレッスンのスタイルは最初にお手本で彼がやった事をそのまま耳コピして自然にできるまで反復練習というやり方。Changuitoがプレイしている間僕は横でなんじゃこりゃとか思いながら必死に覚えるんだけど、なぜか僕がわかった!ってなった瞬間にやれって言ってくる。僕の方なんてまるで見ていないのに。さすがMisterioso。もちろんできない時もある。一回で出来ない時はChanguitoがもう一回やって、二回やって出来ない時は不機嫌になり三回やっても出来ないとそのリズムはもう教えてくれない。

一回僕に反復練習やらせたままChanguitoがどっかいってしまい僕がブチキレタことがあった。Changuitoの寝室に乗り込み”金はらってるんだからちゃんとレッスンしてよ!!”というとその日のステージの衣装のアイロンがけをしていた師匠が振り返り”えー、どうした?何怒ってんの?”という顔をした。今となってはいい思い出。

彼はいつもレッスン中に酒をすすめてきた。彼自身は基本飲み過ぎタバコ吸い過ぎなので家族は心配しているのだろうがレッスン中に冷蔵庫からビールを持ってきて”女どもに見つかる前に飲むぞ”といってくる。レッスンが終わるとテラスの椅子に座ってみんなでハバナクラブのショットを飲むのが日課だった。酒をすすめてくれるのは嬉しかったし、断るほど腑抜けではないのでありがたくごちそうになったが”あれ、今日のレッスンなにやったっけ?”となることもよくあった。今となってはいい思いで。

そんな師匠がある日こんな話をしてきた。”Issei,来週お前をla zorra y el cuervo(狐♀とからす♂という名前のジャズクラブ)でデビューさせるぞ。30分ソロできるか?教えたこと全部やれ”30分一人でパーカッションソロって、、、。でもとても嬉しかった。しかし僕は言った。

”師匠俺来週の頭に日本帰るんですけど、、、。”

ちゃんちゃん。

今思えば帰る日延ばしてやっとけばよかったなぁ。



さて、現実にもどって今週3/1はMadrugador。今回はカリブの熱い風を運んできてくれるゲストを呼びました。絶対来てね。よろしくちゃん!



2013.03.01(fri)

Madrugador@roppongi Electrik Jinja

Electrik神社
〒106-0032 東京都港区六本木5-9-22 第二千陽ビルB1

Open 21:00~ / Live Start 24:00~
Entrance Fee: 1,000yen

Live:
Madrugador
Issei(timbal)
Los Cativos(regueton)
Torochacha(soca dance)

Dj:
Ashlay

and more...

キューバ留学後、Bluemangroup,STUDIOAPARTMENTband、数多くのサルサバンドと、国境とジャンルを越えて活動しているパーカッショニスト吉羽一星主催の完全快楽主義的パーティー。
今回はいつものMadrugadorに加え、今飛ぶ鳥を落とす勢いのキューバンレゲトンユニットLos Cativosが参戦。音はもちろん視覚的にも彼らのパフォーマンスは迫力満点。そして、トリニダードトバゴのカーニバルから帰ってきたばかりのTROCHACHAも参戦決定。彼女達のソカダンスショーケースは上がること間違い無し。今回はフロアをカリブ海にぶっとばします。コラボもあるかも!?そしてDJはもちろんAshlay。DJtimeの出演者入りまじっての盛り上がりはかなり楽しみ。
Electrik神社で繰り広げられる極楽カオスの世界へようこそ。
si tú no vas pa´la fiesta, no come bombón!!


☆Los Cativos(regueton)
http://www.latinochanell.com/los-cativos/
http://ameblo.jp/cativo/
★キューバ、ハバナ生まれのビクトルが2005年に結成したレゲトングループ。レゲトン、エレクトロニカ、R&B、ラテンなど幅広く手がけている。
Nacidos En Cuba、En El Año 2005 Victor Decide CrearEl Grupo De Reggaeton Los Cativos. Produciendo Musica De:Reggaeton,Merengue,Bachata,R&B,House y Electronica.
★2010年に来日しLIVE活動を始める。En El Año 2010 Comienzan A Promocionar Con Conciertos Sus Exitos En Japon.
★メンバ~ Miembros:
VICTOR(ビクトル) Dancer,Rapper★
JOSIEL(ホシエル) Singer Song Writer★
YASNI EL ACOUSTIC(ジャスニ) Vocalist , Song Writer and producer★


☆TOROCHACHA
http://www.torochacha.com/
2005年10月TOROCHACHA結成。
KEI MARI 2人とも1985年生まれ丑年という事で
スペイン語で「Toros」牛「Muchacha」女の子
を、MIXして「TORO CHA CHA」と銘銘。

2006年 2月 初TRINIDAD&TOBAGOへ行き、
本場のTRINIDADのCarnival、SOCAを体感する。
現地でAckeee(アッキー)と出会い意気投合しメンバーに加わる。


$Issei's blog

$Issei's blog

$Issei's blog


$Issei's blog