今日は僕の周りではチック・コリアの訃報の話題で持ち切りでした。

 

やはり多くのミュージシャンに影響を与えた偉大な存在だったのだなぁと 改めて思い知らされました。

 

沢山コンサートも行ったしCDや9枚組のDVDなども買って何度も見ました。周りのミュージシャンによって音楽も変化していくのが見ていて楽しかったのですが、彼自身が一番楽しんでいるようでした。

 

一つ忘れられない思い出が

 

実は僕の芸大打楽器科の卒業試験曲はチックとゲーリーバートンの当時の最新アルバム「Native Sense」から

・Armando's Rhumba

・Bagatelle#2

・Rhumbata

の3曲をバートンのVib.パートを完コピする というものでした。

 

当時、卒業試験でなにやろう?って考えた時に一番自分の中から「演奏したい!」と思ったのがこれだったので 別に「ジャズやってやろう」とかクラシックに対し反骨精神があったわけでもなく  ひとつの「芸術作品」として取り上げたつもりだったんですけど、大学の教授の会議で「ここはクラシックの学校だから彼の演奏は採点できない」という意見が出て、どうやらもめているらしい との噂が入ってきたのです。

 

そのとき僕がとった行動は、大学の図書館や色々な雑誌を探して「チック・コリアという人物がいかにクラシック的にも優れた作曲家、ピアニストであるか」を証明する資料を集める事でした(当時はスマホもネットもあまり普及していない)

 

弦楽の為の曲も作曲しているし、モーツァルトの協奏曲も演奏してますよ、「Children's Songs」なんてバルトークの「ミクロコスモス」と同じじゃないか、などと訴えたのですが、会議の結果「卒業演奏追試」になってしまいました・・・。

 

自分が追試をくらった事よりも 彼ほど「ジャンル」の壁を超えて音楽を愛し、楽しんで創造してる人はいないのに芸術として認めてもらえなかった、と悔しかったのを思い出します。  

 

今の時代だったら、違った結果になってたかもしれませんけど

若い頃のチックも「あれはジャズじゃない」とか絶対言われてたんでしょうけど、本人はそんなのどうでもよかったんでしょうね。 

 

ここ数年、思いもよらない人が突然この世を去ってしまうことも何度かあり、正直「え?なんで?信じられない!」って感じではなく そもそも人間は必ず死ぬんだしいつ誰が無くなっても全く不思議じゃないんだ と自分含め思っているので、訃報を聞いて ただただ

 

「いい音楽を聞かせてくれてありがとうございました」

 

という感謝しかありません。

 

沢山好きな映像はあるんですけど、これが一番すきなのです。

 

ありがとうございました!