レナード衛藤のブログ

Facebookやインスタが多くなりましたが、書き留めておきたいことはブログですね。

レコーディング・プロセス #2

2021-07-26 15:24:00 | わくわく創作編

6月26日「アナログ・レコーディング」

今、レコーディングと言えば、デジタル録音が当たり前ですが、今回の私のアルバムはアナログテープで録音。それをデジタル音源にしてミックスを行っています。

このアナログで録音した音が実に素晴らしく、食で例えると、オーガニックのお野菜とそうでないもの。天然ぶりと養殖ぶりの違いとでも言いましょうか。

大変貴重なスイス製レコーダー"STUDER"


※実はこの頃、その先にどれだけ大変な作業が待ち受けているか、分かっていなかったのです。


7月2日「トラックとミックス、そして定位」

”Soloist”=独奏者というアルバムタイトルですが、ひとつの楽器を演奏して完結している曲もあれば、いろいろな太鼓を一人で重ねている曲もあります。

それを多重録音(オーバーダビング)と言いますが、それぞれ録音した音をトラックと呼び、いくつかのトラックをバランスよく混ぜ合わせることをミックス、もしくはトラックダウンと言います。

多重録音の場合、定位というものを考えないといけません。定位と言うのは今回の場合、太鼓の音の配置のことですが、右左だけでなく奥行も表現できます。

例えば、オーケストラのように太鼓を置いて録音できれば良いのですが、一人で音を重ねていく場合はそうもいきません。

また、私が写真の太鼓セットを叩く時は手前にいるので、左側に①が聴こえるのが自然ですが、アルバムとして聴く場合、お客さんと同じ側になるので①が右側から聴こえます。



アンサンブルの場合、例えば、大太鼓はセンター奥、かつぎ桶太鼓は左側、締太鼓は右側などの振り分けが必要になります。中央に音が集まってしまうと、すべてが一緒くたになってとても聴きづらい音になってしまいます。

音の定位を整えることは、生で聴く時の臨場感に近づけるということです。

実はライブ空間においても定位はとても重要なのです。

例えば、オーケストラの楽器の配置が変わったら、おそらく、同じ曲とは思えない感じになると思います。残念ながら、太鼓演奏の多くは見栄え重視。音の定位まで考えられていないことが多いです。

7月3日「ミックスと空間」

音を重ねていく多重録音(オーバーダビング)はとても楽しいのですが、音を重ねる分だけその「空間」も収録されるので音が籠ってしまいます。

昔は「一発録り」のアナログ録音だったので、オーケストラやジャズなどのアルバムは、その場にいるような臨場感を感じることができます。

デジタル化が進んでオーバーダブが当たり前になる中、ノイズが大幅に軽減された精密で無駄のない音作りが進み、多重録音もかなり進歩しました。

きれいな音に仕上げるためにズレは修正し、雑音はできるだけ除去。なんでも除菌という社会現象とかぶります。空気感なんてノスタルジックなものになりつつありますね。

今回のアルバム"Soloist"は、収録場所が違う空間の音で構成されています。これがなかなか面白いです!出ている音を録るだけでなく「空間」を録る。

これは映像にも言えることで、デジタルで音も絵も「鮮やか指向」になるのは良いのですが、私は「空間」を大事にしたいです。

※この後、マスタリングという最後の作業で、とっても貴重な経験ができ、ゆるぎない自分の音の美学を知るのです!

クラウドファンディング実施中(8月6日まで)

このアルバム制作にあたりクラウドファンディングを行っています。おかげさまで、7月26日現在で達成率は91%!
事前に商品をご購入して、ご支援いただくスタイルとなっております。森にちなんだグッズもご用意しておりますので、引き続き、皆さまのご支援よろしくお願いいたします。

ソロアルバム”Soloist”制作プロジェクト(専用サイト)

続く


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