この間Twitterとかにも書きましたが、最近生徒に感動させられた話が割と立て続けにあったので書いてみます。
その1.
結構前から千葉でグループレッスンをしているのですが、そこに中1くらいから高3まで通ってくれたやつがいます。
中学生なのにどう見てもおっさんにしか見えない雰囲気、身長で、あんまり必要なこと意外は話さず愛想を振りまくことも無い、端的に言うとあんまり明るくなさそうな印象でした。
で、ドラムをおれの所で始めて、きっと初めて何かに熱中したのでしょう、まあ結構な勢いで上達しました。
初心者から始めて、あそこまで叩けるようになったのは結構凄いことです。
中高一貫ということで、高校受験も関係なくドラムを叩きまくり、順調に成績が落ち(中学に入った段階では相当成績よかったらしい)、高校に入ってからはいくつかバンドを組んだりしていたようです。
きっと、ドラムを奪ったら抜け殻になるんじゃないかなと思うくらいはまっていたと思います(私見ですが)。
ちょっとここには書けないようなエピソードもあったりするのですが(本人が見る可能性もあるので…)、「練習なんて、ちょっとしかしてないすよ」と本人はいつも言うんですが、明らかに相当練習しているのが会う度に分かるのです。
するとこっちもどんどん新しい難しいことを教えたくなるもので、どんどん上手くなっていったわけです。
それに比例して、対外的な性格やコミュニケーション能力も上がってきたとおれは思うし、なんか素晴らしいなぁと思っていました。
その彼が大学受験だということで、去年は途中から勉強に専念していました。
某難関大学に挑戦するというのは聞いていたので、「頑張ってすぐケリつけて早くまた習いに来いよ」と送り出しまして、どうしてるかなぁなんて思っていた先月末、久しぶりにレッスンに来ました。
LINEでも別に構わないのに、律儀に受験の報告をしにわざわざ来てくれました。
結果は、希望していた大学はダメだったと。
だから1年浪人(つまりもう一年ドラムはお預け)して、その大学を狙うとのことでした。
きっと努力したんだと思うから、残念だなぁという気持ちもありましたが、湿っぽいのは苦手なのでとりあえず今日は楽しくレッスンして気分転換にでもなればいいなと思っていたら。
なんか彼が持ってきた袋からゴソゴソとドラムのヘッド(皮)を3枚出しました。
何事かと思ったら、「ここのスタジオにはお世話になったので、お礼として持ってきました」と。
そのレッスンをしている施設にはスタジオが3部屋あるのですが、3部屋分のスネアの表ヘッドを自腹で買って来たのです。
それを自分が叩くことはないのに。
いやいやいやいやいやいやいや。
まず、きっと受験勉強でバイトもできてなかっただろうに、自分でお金を払って買ってきたということ。
そして、自分の受験はだめだったのに、スタジオに気を回せるということ。
危なく泣かされるところでした(笑)
「チューニングは自信ないので、先生お願いします」というオマケつきでしたが(笑)
なのでその日は急遽レッスン内容を「スネアの構造勉強、メンテナンスの仕方、チューニング」に変更して、3台のメンテと表ヘッド交換をしました(笑)
いやー、なんというか、昔からそいつを見ている人間としては、自分がしんどい時なのにも関らずそんなことができる人間になったんだなぁ、すげぇなぁ…と感動してしまいました。
彼が目指している職業は、世間的には完全に勝ち組のお金には不自由しない職種なのですが、
「その仕事をしてお金を稼いで、家にずっとドラムが叩けるスタジオ作るのが目標です。お金だけあっても人生ロクなもんじゃないと思うので。」
と言っていました(笑)
そいつの目標が早く叶って、一日でも早く好きなだけドラム叩けるようになるといいなぁと思います(^^)
感動話その1でした!