5/16
手術の翌朝は、朝起きて、朝ごはんを食べて、診察、薬をもらって精算をして帰るという流れでした。
ここから数週間は右耳にジェル的なやつが入ったままなので、耳がどうこうではなく物理的に殆ど音が聞こえない生活なのですが、これが想像以上に不便でした。
病院内はなんとかなったのですが、会計が終わってから外に出たら物凄い違和感。
目の前を車が通過したのですが、音がどっちから来てるか分からない!
とりあえず落ち着くべく、約24時間ぶりの、人生でも7番目くらいにおいしかったタバコを吸って車で帰路へ。
普段は意識しないですが、人間は左右の耳で聞く音の差で、その音がどっちから来ているか判断しているんですな。
しかも単純に聞く力も半分なので、聞こえる音量も体感的には半分くらいでした。
自分でこんな状態なのに、治らない難聴だったり、全く聞こえない方々は本当に大変だなぁと思い知らされました。
帰りの運転の時はかなりヒヤヒヤで、事故らないように他の車とかバイクの音聞くために窓全開で帰りました(笑)
これは慣れるまでしばらくかかりました。
で、無事帰宅しまして、とりあえず点耳薬や飲み薬を開始。
無事帰ってきたからか、眠気に襲われたので小一時間昼寝でもするかー、と思ったら4時間ほど爆睡してました。
体、疲れてたんだな。
その日からシャワーは可能なのですが、しばらくは傷口を濡らさないように髪を洗えという無理ゲーな注文が。
耳用の簡単なカバーみたいな物を買いました。
なるべく頑張りましたが、ま、無理ですよね(笑)
そしてふと鏡を見ると、あれ?おれ殴られたの?という感じのこめかみ辺りの腫れが。
しかも右目の周りがアイシャドーでもしたかのような紫の縁取りに。
これは予想外でしたが、考えてみればそりゃ肉を無理やり剥がしたりしてんだから、腫れや内出血ぐらいは出ますわな。
撮影の仕事を手術前にしておいてよかった…
この日からしばらくは、寝る時に右耳を下にしないように注意しながら頑張って寝るのでした。
5/17
そして何も考えていない自分は、その翌日(手術2日後)から普通にレッスン仕事を入れていました。
おれの「どーにかなるだろ精神」はきっと死ぬまで治らないのでしょう(笑)
レッスン自体はなんとかできたのですが、片方聞こえないのにもう片方で爆音を聞くと、どうも耳というか脳みそというかが凄く疲れました。
なので、翌日から聞こえる方の耳に耳栓をして臨むと、両方耳栓をしているような感覚で聞けるので、それからはしばらくそれを採用していました。
5/20
そして手術4日後にしてライブ仕事。
ちなみに術後数週間は汗をかいてはいけませんというこれまた無理ゲーがあったので、サーキュレーターを持ち込んで風を浴びながら演奏しました(笑)
聞こえる耳に耳栓をしているので、全体的に音が遠くは感じるものの、思っていたよりも演奏に支障はなさそうで一安心しました。
最悪聴力が改善しない場合も想定していたので、ひとまずこの状態で演奏ができたことには本当に安心しました。
5/21
その翌日には抜糸の為病院へ。
縫合した箇所は良い感じということで、手術の際の細かいお話やら、今後のざっくりとした治っていく過程のお話を。
まずはこの2週間後に詰め物が取れるので、そこまではまだ片耳生活。
6/3
で、ドキドキしたりワクワクしたりしながら過ごすこと2週間、前日の夜にはやっと詰め物が取れるとワクワクしすぎてほぼ寝れず(取る夢まで見た)、いざ病院へ。
順番待ちをして、自分の番になり診察室へ。
名前は分からないけど、吸引するマシーンで少しずつ詰めものを取る(これもかなりうるさい)。
そして一番奥の詰め物が取れると、吸引マシーンがすんごいうるさい。
ん?すんごいうるさいということは、めっちゃ聞こえてるなと思い、吸引が終わってみると、病院内のノイズや先生の話がちゃんとステレオで聞こえる!!
想像より遥かに聞こえて、感動!!
例えば音の鳴る物を右耳の側と左耳の側にそれぞれ近づければ違いはあるけど、離れたものを両耳で聞く分にはほぼ問題なし!
この時点でも、体感的にはほぼ手術前くらいの聴力に戻っている感じ。
ここから傷や鼓膜が乾燥して行けばもっと良くなる可能性が高いとのこと。
いやー、本当に素晴らしい先生、チームの病院を選んでよかったーと安心しました。
外に出て右耳で風の音が聞こえた時は感動しました。
6/24
手術から1ヶ月半、詰め物を取ってから3週間。
経過観察兼、術後初の聴力検査の為病院へ。
元々の鼓膜と貼り付けた筋膜の境目が分からないくらいきれいに繋がってますと。
きっと普通の耳鼻科に行っても、手術したと言わなければ分からないくらいですよと。
傷もきれいだし、とても順調に回復しているとのお言葉。
前回の診察からこの日までの間、やはりイヤホンやヘッドホンで集中して音を聞くと、左に比べるとやはり右の方が若干低域と高域部分が聞き取りにくい気はしていました。
日常生活での会話等は中域が聞こえれば問題ないのでそこは大丈夫だったのですが、やや気にはなっていました。
しかし手術前から少しその感じはあったので、さほど気になるレベルではありません。
検査の結果としては、125ヘルツから2000ヘルツまでは全ての周波数にて改善、もしくは同等で、2000ヘルツから8000ヘルツまではほんの若干手術前よりも落ちているという結果でした。
ちなみに手術前の右耳が、
3分法で21.7dB、4分法で22.5dB、6分法で19.2dB
でしたが、この段階では、
3分法で16.7dB、4分法で16.3dB、6分法で16.7dB
まで改善しています。
分かりやすい説明のページがありましたので、以下にリンクを。
https://kikoeaid.com/audiogram/
ちなみに、聞こえのレベルとしては
- 正常な聴こえ
20 dBHL 程度の小さな音も聞こえます。 - 軽度難聴
良聴耳での聴力レベルが25~39 dBHL
騒がしい環境での会話の聴き取りが難しくなります。 - 中等度難聴
良聴耳での聴力レベルが40~69 dBHL
補聴器を装用しないと、会話の聴き取りが難しくなります。 - 高度難聴
良聴耳での聴力レベルが70~89 dBHL
高出力補聴器の装用が必要になります。 - 重度難聴
良聴耳での聴力レベルが90 dBHL以上
読唇や手話を使うか、人工内耳の装用が必要になります。
ということなので、手術前の右耳はもう少しで軽度難聴、術後は正常の範囲に収まっているということになります。
ちなみに左耳はというと、全体的に地獄耳です(笑)
真珠腫を取り除くということが第一目標で、聴力改善というのはその次の目標なので最優先ではないという部分を踏まえれば、この段階でも十分に手術に踏み切って良かったと思える結果でした。
診察の際も違う先生が担当の日でも、わざわざお忙しい教授がほぼ必ず様子を見に来て下さったりして、やはり仕事が音楽な人間の手術なんてあまり無いと思うので、大分気を遣って頂いているんだなぁと感じました。
イヤモニに関しては、本当はもう少し使用するまでは間を空けた方が望ましいとのことでしたが、どうしても使わなければならない場合はイヤモニと耳を清潔な状態にキープしながら使えばよしとのお言葉。
患部を清潔にすることもそうなのですが、まだ周辺の傷や骨が治りきっていない為、あまり刺激を与えると外耳道の形が変わったり、変な突起が出来たりする可能性があるとのことでした。
この段階ではまだ腫れが引ききっていないこともあり、手術前よりイヤモニがきつい状態だったのですが、大体半年くらいかけて安定してくると、恐らく少し広がるのではないかとのお話でした。
なのでもし耳型を取り直して作り直すとしても、最低半年後以降ということになりました。
耳を掃除して頂いて終了。
9/13
術後4ヶ月の経過観察と聴力検査。
ここまでの段階でイヤモニを使う仕事もしていましたし、それに伴った問題も特に無く、いわば通常営業だったので、個人的にはもう何も問題ない状態でした。
聴力検査はというと、3分法、4分法、6分法においては前回よりも数dB改善していました。
しかし8000ヘルツのみ前回よりスコアが悪かったのです。
それに関して話を聞くと、数dB程度は検査でいうと誤差の範囲内なので、そこまで気にしなくても良いですよと。
実際仕事してても特に高域が聞きにくいとは感じていなかったので、あまり気にしないことに。
この日も耳を掃除して頂いて終了。
11/29
術後半年の経過観察。
この日は聴力検査は無いので、診察と掃除のみだったのですが、若干の異変。
イヤモニをする時にまれに何か痛いなーという時があったのですが、なにやら軟骨か何か硬いものが表面に出てきている様。
とりあえず今すぐ切ったりする必要は無いし、また切ったりしたらしばらくイヤモニ使えなくなったりするので、次回までとりあえず様子見に。
あまりに邪魔になったらどうするか考えますが、今のところはほぼ気にならない状態。
ということで現時点までの状態を時系列で書いてみました。
ながっ(笑)
とりあえず次のブログで今回思ったことやこの病気に関して注意すべき点等まとめを書いてひとまず終わりにしようと思います。
長文読んでくださった方は、ありがとうございました&お疲れさまでしたm(__)m