ゆうの部屋

ドラマー&パーカッショニストの佐藤 由が思いのたけを綴ります

タトゥーについて

2024年01月20日 | Weblog
タトゥーが好きです。
いきなり何のこと?と思うかもしれませんが笑

好きなので実際カラダのあちこちに入れています。

これを読んで「へぇー、いいじゃん」と思う方または「え、意外!」と驚かれる方もいるかもしれません。
日本ではまだタトゥーに対して偏見というかあまりいいイメージがないかもしれません。実際プールや温泉では「お断り!」という場所が多いです。

自分でもなぜタトゥーを入れたくなるのか。かっこいいと思うのか。
痛い思いをして時に不自由な思いをしてまで、入れたくなるのか。
考えてみました。

タトゥーを見たのは小学生の頃。
兄がROCKを家でかけていて一緒になってよく聞いていました。
ジャケットを見るとレザーに身を包んだド派手なロン毛の兄ちゃんたちがなにやら恍惚の表情を浮かべながらこっちを見ています。デカダンな雰囲気を漂わせる不良的魅力。
やたら露出された腕や上半身からはカラフルなタトゥーが。
これがタトゥーとの出会いだったのかも。そしてなんとなく興味みたいなものを持ったかもしれません。

それから時は流れ22歳の時でしょうか。
ミュージシャンになりたくてドラムやパーカッションを学ぶ学生時代。
日々練習や勉強に励んではいたのですが、早く音楽の仕事がしたかった。
やはり現場に出て実践を積むことこそ何より学びになりますから。
しかし仕事がしたいと思ってもすぐに仕事がやってくるわけではありません。
人との繋がりから誘われたり、オーディションがあれば受けてみたり。
仕事にありつくまでなかなか、特に最初は大変です。

それにちょっと学校の雰囲気に馴染めない自分もいた。
とても器用で要領よく見える生徒がいて先生からも気に入られ「仕事手伝って」とか言われてたりするのを横目で見ながら、自分はそんな風になれない。
うまく立ち回れないと感じていた。
先生方との付き合い方がよく分からなかった。
悔しかったけど、自分は音楽で実力で勝負するんだ、と思っていた。
まだ若かったしちょっと尖ってたのかもしれない。

ある日飲み会で先生にこっぴどく説教された。
あまりにも自分だけを理不尽に攻撃されたように感じた。
この先生俺のことが嫌いなんだなと思った。
自分も若かったから先生に言い返したりして口論になり周りが止めるほどだった。

俺は音楽でやっていけるのだろうか。音楽やっていくにはこういう人ともうまくやってかなきゃいけないの?
本当に俺は音楽が好きなのだろうか。自分の気持ちがよく分からなくなってしまった。
その夜はたくさん泣いた。


ちょっとこの環境を離れてみよう。ちょっと旅に出てみよう。
初めて東南アジアへひとり旅に出た。
当然金もないからバックパックひとつ背負って安宿を泊まり歩きながら、タイ、カンボジア、ネパール、マレーシア、シンガポールあたりを気の向くままに歩いた。
旅って何が起こるか分からないから面白い。
今日は何しようかな、じゃああそこに行ってみようかなと外に出た途端誰かに声をかけられたりして全然違う1日になったりする。予想がつかない。

現地ではいろんな人と出会って友達になった。恋にも落ちた。
かと思えば騙されたり。寝てる間に誰かが部屋に入ってきて全財産盗まれた、なんてこともあった。

でもこうして異国を歩いてみて刺激に溢れた一瞬一瞬が"生"を感じさせてくれた。
今、日本じゃない国で俺生きてるんだなー。こんな景色見て、こんな人に出会って。
それは初めての感覚だった。

この旅は世界は多様で、様々な生き方があるということを教えてくれた。
あまりに狭い世界に自分は囚われていた。
旅で感じた全ての経験を記憶と身体に残しておきたかった。忘れたくなかった。
タイとネパールでそれぞれの肩にライオンとイーグルのタトゥーを彫ってもらった。
それが My First Tattoo だった。

帰りの飛行機で「やっぱり俺、音楽好きだな。やりたいな。。」
そう思ってる自分がいた。

自分にとってタトゥーとは、今の想い、願いを忘れないように残しておく儀式なのかもしれない。儀式というと大げさだけど、実際にタトゥーを入れることが大人になる通過儀礼である部族もある。

今強く感じていること、こうしたい、こうなりたい、こう生きたい、こうでありたい、そんな想いを身体に刻む。
そんな感じでその時々で強く思ったことを文字だったり模様だったりで入れている感じです。
痛い時はめちゃくちゃ痛いし、入れなくて済むなら入れないけど、入れたくなっちゃうんだからしょうがない(苦笑)
これが自分なんだから。

という個人的な話でした。

自分にとってタトゥーはひとつの自己表現であり、アートだと思っています。

タトゥーが好きな人も嫌いな人もいるでしょう。全く興味がない人も。

多様性を認める。みんな違ってていい。そういう世界になればいいな。


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